1964年
6月25日(雨天中止)
 昼、一緒にすしを食べに行った。
 試合前なのでのんびりは出来なかったが、一応雨で今日は駄目だと思った。
 王自身は試合があっても良いように気持ちのうえではちゃんと心得ていた。
 それはどういうことかというと王はすしを食べるときは手で食べるのに試合前は絶対手で食べず、箸を
使うのである。
 これはどういうわけか知らないがなにか自分に感じるところがあるのだと思う。手で食べようが、箸です
しを食べようがバッティングの技に影響がないと思うが、王自身にはなにかあるのだと思う。
 ゲームが中止となり、王は夕食を親父さんに誘われているのでどうせビールを飲むと思うから、飲む前
に汗を相当出すようにバットスイングも余計に振らせた。
 調子の良いときは何本振っても疲れないのか、ビュンビュンと感じ良く振っていた。特に外角球を上手く
振り、久しぶりに低めも振らせたが、低めは得意なところなので本当に上手い素振りをした。
 この調子でいけば、必ず三冠王になれるのだが。
 特に注意した点は
1.ステップを小さくしたこと。
2.自分の力の70%で打つこと。
3.バックスイングのときに少し上から振り下ろすようにすること。
4.絞りが甘くならないこと。