1964年
6月18日(対国鉄)
 西岡投手よりライトスタンドに素晴らしいホームランを打ち、これで28号になった。
 ここのところ王の打撃ぶりは素振りだけは良いのだが、いざボックスに入るとどうも調子だけで打つよう
で、この調子に関係なく打てるようになったら最高のものだ。
 フリーバッティングでは非常に良い当たりをしていたが、ステップが大きい割にはポイントに体が乗らな
いのでどうもバットが下から出る。
 王は3年間毎日基本練習すると言っていたのにマスコミの仕事が多く、私の家に来て素振りをすること
は1週間に1度あれば良い方だ。
 これでは3年の約束が違うし、本当の稽古をしておかないと、またあとになって崩れが出るので、やはり
基本スイングは毎日何百は振らなければ絶対プロの第一人者にはなれない。
 良い例が榎本で、あれだけ立派な打者であったが、3年私から離れて全くフォームが崩れ、直すのに相
当苦労しなければならない。
 榎本はこれで基本がいかに大切であるかが分かり、必ず王も抜き、今度は王自身が榎本の徹を踏まな
ければ良いのだが。
 こればかりは自分自身が体験しなければならない。