1964年
5月20、21日
 毎日バットを振っているのだが、ここのところ広島、名古屋といろいろ他で気を使うことが多いのか真剣味が足りなくなった。
スターになればいろいろ忙しいし、他の方で労力を使い苦労があると思うが、やはり野球選手は野球で苦しまねば意味がない。
 私自身も王にもっともっと厳しくならねばいけないと思った。
 泣いても笑ってもあと80試合くらいなのだから少しの気の緩みもなく、息を抜かさず教え込もうと思っている。
 技術的には立て振りが下手になり、本人もそれほど立て振りを重要視しなくなったようだから、帰京したらまた刀を持ち出して真剣で練習すれば、王自身も必ず気の抜けたことを感じるだろう。
 私自身もここのところ自分自身の稽古をしていないから弟子に対して厳しく感じられないのだと思う。
 弟子の調子の悪いのは師匠の稽古不足にもある。私自身も大いに勉強しなくてはいけない。