1964年
5月15日
 田中投手のボールだが、良くもなく、また格別悪いというほどでもなく普通の出来だった。
 内角のボールを割合上手く打っていたのだが、外角球を引っ掛けたりして凡ゴロを打っていた。
 部屋での素振りの練習は立て振りを主にやり、本人も相当意識して立て振りをやっていたので案外
良く振れた。
 また、ボールの捕らえ方はボールの引っ張り込み方が近過ぎたので、つまることが多かったのでは
ないかと思った。
 気持ちをあくまでも投手に出し、それからボールを引っ張ってくれば良いのである。
 まだ気の出し方が足りなかったようだ。
 今晩も広島テレビの人と岩本評論家に王シフトのことを聞かれたが、私は何も考えていないと答えた。
 本人が調子よければレフトにもライトにも打てるから、ただ本人の調子を出すだけだと言ってやった。
 たとえレフトが空いていても打てないときは打てないのだから仕方がない。
 特にシフトを敷いているときは内角球を投げてくるのだから、無理して流すことはない。
 出来ればセーフティバントくらいした方が良いと思う。