1964年
4月26日(対国鉄)
ダブルヘッダーで10、11、12号と3本もホームランを打った。
 足の故障を押して出て素晴らしい成績をあげたことは、基本が出来ていることと気魂が出来たことの2つである。
 体の故障があっても、バッティングで打てるということを実際に体験したことは大きな収穫である。
 また、自信はたいしたもので広岡に「広さん、今度はスコアーボードに叩き込んでくる」と言ってボックスに入り、見事センターに叩き込んだことは実力もさることながら、その自信が打たせたのだと思う。
 今の王を見ていると気力が出て来たので、いつでも打つような雰囲気がある。
 今日の試合で金田からビーンボールを投げられながら、次のボールをホームランにしたときは本当に素晴らしかった。
 実際次のボールは大抵の選手だったら腰が引けるのだが、見事にライトへ叩き込んだ。
 また次にインハイの難しいボールを打ったときなんかは今までの王に見られない良いものを出した。
 このように急激に王の実力が出たことはケガによって、力で打つのではなく、無欲になって、ただ気力
で打ったことがこの成績になったのだと思う。