1964年
3月29日(対国鉄 ダブルヘッダー)
 王は第一試合にツーランホームランを打った。
 このホームランはちょっと下からバットが出たが、ライナーとなって(ちょっとドライブが掛かって)塀に
入った。
 このような良い当たりをしながら、やはり型が悪いとその場ではそれで通るが、だんだん崩れスランプ
に入るのである。
 だから常に基本であるダウンスイングをしなければならない。
 これから三冠王になるためには、些細なことでも丁寧に打つことと基本をガッチリやらなくてならない。
 王にはもっと自分自身にきびしくなければ駄目だ。
 その点、昨日榎本に会ったが、まだ榎本のほうが人間的に上だ。
 第二試合金田投手に捻られ、内野安打1本に終った。
 調子の良かったのは2週間ちょっとで、またスランプになるのではないかと心配だ。
 本人は毎日雑誌や放送等で相当忙しそうだが、いかに練習が大切かということを忘れたらしい。
 ことわざにあるように“喉もと過ぎれば熱さ忘れる”で、まだ若いというよりほかない。
 また打てなくなったら練習するだろう。