1964年
3月28日
 澁谷投手にすっかり抑えられてしまった。
 開幕二戦目には後楽園で澁谷投手からセンターへホームランを打ったが、今日はさっぱり打てなかった。
 どうもタイミングが合わないのか、カーブが打てず、手を出せば芯に当たらず、さっぱりだった。
 本人の構えは悪くないし、フォームも良かった。
 どうも芯に当たらなかったと言っていたが、私の見るところではやはり打てない姿勢をしていた。
 バックスイングのときにすぐに姿勢が崩れて、打つ瞬間にバットが下から出るので、遠回りし芯に当たらないのである。
 打てないと王は、自分は良かったのだけど、どうして打てなかったのだろうと言っていたが、これは榎本とだいぶ違う。
 榎本はホームランを打っても自分の打ち方が悪いとか、姿勢がまだだとかいろいろ研究しているが、王にはまだ研究心が足りない。