1964年
3月12日
 夜、スイングに来る。
 宇都宮の合気の支部長と他2人が部屋に遊びに来た。その連中の見ている前で王が素振りをした。
 やはり武道を稽古している連中なので、正座をして見学していた。
 また、それだけ王のスイングは技においても風格が出て来たのだと思う。
 王のスイングにより部屋は一瞬、シーンと緊張し道場となった。
 1回のスイングが15から20本くらいだが、一回目、二回目はそれほど優れたスイングではなかった。
だが、三回目ごろになって体がほぐれてきたのか、スイングに鋭さも加わり、一段と激しさが増してきた。
 見学しているものも一層緊張し、物音一つ立てず、王の一振り一振りに息も尽かさず見修していた。
 終了してから、合気の友達が良いものを拝見させていただきましたと礼を述べて帰った。
 私も満足した気持ちになった。これで王もやっと一流になれたと心で思った。
 12日、2本のホームランを打った。最後のホームランは大物で近年にないものだった。私もこのような
大きな当たりは中西以外打てないと思った。
 これで迷いも消え、昨シーズンと同様、打ちまくると思う。